ヒーリングは『無意識を書き換えるもの』だと話しました。
ですから、まずは無意識の働きについて理解しましょう。
私はヒーラーであると同時にコーチでもあるため、人の心理や認知を科学的に説明できますし、無意識の働きについても熟知しています。
しかし、無意識の話をすると膨大な量になってしまうため、肝の部分だけを話します。
これが分かれば自分でもヒーリングができますから、しっかり学びましょう。
なお、小学校の最高学年なら理解できる内容にするため、専門用語はなるべく省きます。
分からなければ何度も読み返してください。
できることなら、姉妹サイトで学んでください。
そちらの方が情報量は多いですから。
まず、無意識は私達の心と身体を維持しています。
心臓が動くのも、細胞分裂をするのも、免疫が働くのも、髪や爪が伸びるのも無意識の働きです。
思考できるのも、無自覚な癖や習慣があるのも、今の性格を維持しているのも無意識の働きなのです。
無意識は、私達が生きる上で必要なこと全てを担ってくれています。
無意識とは、機械を動かしているOSの超上位互換のような存在なのです。
機械は自己修復できませんが、生命は自己修復できますからね。
さて、そんな無意識ですが、これにはいくつか特徴的な機能があります。
その中でも今回は、ヒーリングの要となる機能を三つだけ説明します。
①臨場感+イメージ(情報)=現実
②恒常性維持機能(ホメオスタシス)
③同調作用
この三つです。
①は、『イメージ(情報)に対して臨場感を感じると、それを現実と認識する』という機能です。
人は他の生命よりも情報に対して親和性を持っています。
脳の前頭前野(おでこの辺り)が発達したからです。
前頭前野は抽象化思考(イメージすること)ができる部分であり、この部分が発達したことにより、人類は科学や技術、芸術、文化などを発展させてきました。
日常的なことで言えば、空想を巡らせたり、未来のことを考えたり、映画や小説を楽しむことができる機能です。
思い出し笑いとか、トラウマで恐怖するなどもそうですね。
上記のようなことは、映像や文字、脳内のイメージなどの情報に対して、臨場感を感じているために起こります。
人は、物理的に今体験していることではなく、それらの情報に対しても臨場感を感じてしまうのです。
脳の話をすると、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの五感から入ってくる情報は、脳内では電気信号として処理されます。
また、抽象化思考、つまりイメージすることも、脳内では電気信号が活性化することを表します。
つまり、脳にとっては物理世界の情報も脳内で作り出した情報も、どちらも電気信号でしかないのです。
では、それを判別する基準は何だと思いますか?
何を基準にして、私達は現実だと認識していると思いますか?
それが”臨場感”なのです。
脳内では、物理世界の刺激も脳内のイメージも等しく電気信号ですから、臨場感が強い方を現実と認識します。
その結果、映画や小説で泣いたり笑ったりできるのです。
思い出し笑いやトラウマが生まれるのです。
それが人の特性なのですよ。
元々物理世界は、見たり聞いたり触ったりできますから、臨場感が強い世界です。
常に脳内に電気信号が流れていますからね。
ですが、イメージや文字などの情報に対しても、きちんと臨場感を感じられるのが人です。
そして、情報に臨場感を感じてしまうと”身体的な反応”が起こります。
情報に対して身体的な反応が起こるとは、例えば映画で笑ったり、震え上がったりするということです。
自分が今経験しているわけではないのに、あたかも自分が経験したかのように身体が反応してしまうのです。
しかし、それだけではありません。
情報に強烈な臨場感を感じてしまうと、それこそ病も治ります。
これが、プラシーボ効果が効く理由です。
プラシーボ効果は偽薬効果と言われ、例えば医者から小麦粉を頭痛薬だと言われて処方されると、本当に頭痛が治まるというものです。
「信頼している医者から渡されたから絶対効く薬だ!」と思うから治るのです。
この場合、自分で自分に情報を入れています。
「絶対に治る!」と強烈に思い込むことにより、いえ、思い込み”すぎる”ことにより、身体が反応してしまうのです。
傍から見るとその薬で治ったように見えますが、プラシーボ効果とはそういうものです。
事実、薬の臨床試験ではプラシーボ効果をなくすために創意工夫がされています。
プラシーボ効果は、科学でも当たり前のことなのですよ。
『情報に対して強烈な臨場感を感じると、自分を変えることも、元気になることもできる』
この特性は本当に大切ですから覚えましょう。
次に②の説明をします。
恒常性維持機能(以下、ホメオスタシス)は、中学校の理科で習う内容だったと思います。
これは文字通り”ある状態を維持する機能”です。
例えば、体温が36.5度に維持されるのもこの機能のお陰です。
体温がこれ以上なら汗をかき、これ以下なら震えて熱を作り出します。
”だいたい”36.5度の範囲になるようにしているのです。
エアコンでも設定温度を20度にしておくと、暑ければ冷房が効き、寒ければ暖房が効きますよね?
20.1度だから急に冷房が効くわけでも、19.9度だから暖房が効くわけでもありません。
”だいたい”20度付近を維持しているのがエアコンです。
人の無意識も同様に、”ある程度の範囲”を維持します。
そして、その決められた範囲を”超えると”、範囲内に戻るためにホメオスタシスが働きます。
体温で言えば、汗をかいたり熱を作り出したりするのです。
これが、先も説明した”身体的な反応”になります。
更に、ホメオスタシスは物理的なものだけではなく、情報に対しても働きます。
映画や小説で泣いたり笑ったり怖がったりするのも、ホメオスタシスが働き、身体的な反応が起こるからです。
プラシーボ効果もホメオスタシスの影響です。
「治る!」という情報に対して身体的な反応が起こるために、元気になるのです。
①と②は、私達が日常で使用している働きです。
今この記事を読んでいることも、そしてその内容に「あ、そうなんだ」と思うことも、情報に対して臨場感を感じているから起こります。
映画や小説や漫画も、それらの情報に対して臨場感を感じているから楽しいと思います。
毎日無自覚に使用している機能ですが、人は情報に対してかなりの親和性を持っているのです。
話は変わりますが、あなたは『マトリックス』という映画をご存じでしょうか?
現実世界からバーチャル世界へダイブして悪と戦うストーリーなのですが、この映画は認知科学という分野を元に作られています。
例えば、映画ではバーチャル世界で撃たれると現実世界で死んでしまうシーンがあります。
「銃で撃たれた!」という強烈な臨場感によりホメオスタシスが働き、現実世界で死んでしまうのです。
今回の話も同じですね。
情報に対して強烈な臨場感を感じると、ホメオスタシスが働き現実が変わってしまうのです。
これはスカイダイビングでの死因でもあります。
「パラシュートが壊れた!」という強烈な臨場感のせいで、心臓が止まるのです。
聖痕現象も同じです。
「杭を打たれた!」と思い込み”すぎる”ことにより、血が噴き出してしまうのです。
強烈な臨場感さえあれば、脳がその情報を現実だと認識し、ホメオスタシスが働きます。
結果、元気になることもできます。
人は手に取れる物理世界だけではなく、”情報”の影響も多大に受けると認識してください。
③の同調作用ですが、これは誰もが感じていることです。
例えば、自分は怒られていないのに、怒られている人の近くにいると嫌な気分になりませんか?
例えば、いつもニコニコしている人の近くにいると、自分も嬉しくなりませんか?
生命は、”情報を伝える力”も”受け取る力”も持っています。
女性同士が共同生活をしていると、生理周期が似通ってくるという報告もあります。
季節によって大移動を繰り返す動物もいますし、同じような時期に子育てもします。
同調作用とは、集団生活をする上で必要な機能なのです。
ですから、生命は情報の受け渡しができるのです。
しかもこの機能、”お互い”が影響しあっています。
そして法則もあり、”強い方”に引っ張られるのです。
例えば、100度のお湯1Lに20度の水100mlを入れても、大して温度は下がりません。
例えば、軍人と赤子が喧嘩をしても、軍人はビクともしません。
強くて大きい方が勝ち、引っ張っていってしまうのです。
これを違う言葉に置き換えると、”臨場感が強い方に影響される”ということです。
そして、①、②、③の機能を上手に使っているのが気功師やヒーラーです。
・まず、ヒーラーは強烈な臨場感を伴った情報を相手に送ります。
・相手は同調作用により、その強烈な臨場感の影響を受けます。
・その影響により、相手のホメオスタシスが働きます。
・結果、相手は元気になってしまうのです。
これが、ヒーラーが病を治せる理由です。
自分の無意識と相手の無意識を上手に使い、相手が元気になるように仕向けているのです。
強烈な臨場感の前には、例えば「ヒーリングは信じない」などの思い込みは無意味です。
そもそもこれは無意識の反応ですし、何より強烈な臨場感とはそういうものです。
体感すれば分かりますよ。
無意識の働きを上手に使えば元気になれます。
相手を元気にすることもできます。
①、②、③の機能はよく覚えておいてください。
できることなら、毎日意識していくように。
意識してこの機能を使えれば、あっという間に元気になれます。
ヒーリングは非現実的なものではなく、科学的にも説明できるものなのです。
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心と身体を”超”元気にする実践方法
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